私は練習の最初によく、選手に聞きます。
皆はなぜ、練習をするの? と。
そして選手は答えます。
「試合に勝ちたい」「上手になりたいから」と。
さらに私は選手に尋ねます。
「では、上手になるためにはどうしたらいいだろう?」
私は練習の中でよく「考えろ」「頭を使え」と言っているので、それを聞いている選手は「考えること」などと答えます。
確かに考えることも、とても大切です。
でも具体的に「上手になる」とは、どういうことでしょう。
私がよく、こうした場面で答えるのは「昨日できなかったことができるようになることだ」ということです。
今、できることを漠然と続けていても上手にならない。
できることをするなら、もっと意識を高めて精度を上げられるようにしてみる。
そのためには、足のどの部分にボールを当てればいいのか。
それをしっかりと意識し、練習に臨んでみる。
そうした積み重ねが、昨日の自分を越え、できなかったことができるようになるのです。
そしてコーチは、こうした一言で分かるようなキーワードを与えてあげることが大切だと思います。
「ディフェンスの基本位置は?」
「いい攻撃の形は?」
「いい守備の形は?」
そうしたコーチの言葉ですぐに選手が修正できる。
それがいい練習の結果であり、コーチングであると私は思います。
で、キミはどうやって上手になる?
そしてなにも考えずに練習していると、私に言われちゃうぞ。
「本当に上手になりたいの?うまくできていないことに対して、ちっとも工夫してないように見えるけど」と(笑)。