ミゲルさんの指導を受けて その2 「足裏プレーの重要性を認識」

今回はここで書いたテーマのその2、足裏を積極的に使うことについて書いてみたいと思います。

サッカーは取った点を競い合うスポーツです。ですから、サッカーというゲームで勝とうとすれば、相手よりもより多くの得点を取る必要があります。点を取るためにはシュートを打たなければならず、そのためには自分たちでボールを保持しなければなりません。

ですから、攻撃はシュートを打つためにするものですし、守備は相手からボールを奪い、
自分たちの攻撃につなげるために行うものです。

という観点から改めてサッカーを見てみると、選手にとって大切にしなければならないのは『自分たちが保持しているボール』であり、簡単にボールを失うようなことはあってはならないプレーとなるはずです。

小学生年代をコーチする指導者が、積極的に仕掛ける、具体的に言えば1対1にチャレンジすることを判断なしにさせてしまっている印象を強く受けます。

このことは、ミゲルさんのトレーニングの際、私からの問いかけとして聞いてみましたが、やはり同様の感想を日本の育成年代のサッカーに対して持たれていました。

番組の中の私へのインタビューの中で「目からウロコ」という言葉が出ていますが、これは具体的に、足裏を使うことによる選手の変化を指しています。

ミゲルさんはトレーニングの初日、足裏を使うプレイを子供たちに指導されたそうです(初日は仕事の都合で私はトレーニングに参加できませんでした)。

トレーニング二日目に見た子供たちは皆、積極的に足裏を使いその結果、以前のように簡単にボールを奪われることがなくなりました。技術的に幼い小学生年代において、ボールを大切にする意識を持たせること、具体的に言えば相手がプレスを掛けてきたときにボールをさらさず、次のプレーにつなげることはとても大切です。

ですが、相手のプレッシャーに負けず、しっかりとボールを保持する技術はなかなか難しいものがあります。ところがミゲルさんは、足裏を使ってボールをキープするということを子供たちにコーチングしたことで、一気にこの問題を解決してしまいました。

もちろん私自身、フットサルを日常的に楽しんでいますし、足裏を使ったプレーはそれなりに使っています。ですが、これほど『ボールを失わない』というプレーにつながるとは、思っていませんでした。

ですのでミゲルさんのトレーニングでそのことを実感した私はその後、自分がコーチするチームでは基礎練習の中に、足裏を使ってボールをキープするメニューも加えました。

具体的な練習方法としては、

1)向かい合い、インサイドのパスを出し、受ける方は足裏でしっかりとトラップ。ボールを止めたら、インサイドのパスを出した選手にインサイドキックで戻す。足裏でのトラップを身に付ける。

2)向かい合い、ボールを持っている選手の反対側からオフェンス、ディフェンスの二人の選手がボールをもらいに動く。ディフェンスはオフェンスの選手の右か左、どちらか明確に付いてプレスを掛ける。オフェンスの選手はディフェンスの選手の位置を確認し、ディフェンスから遠い方の足下へボールを要求し、足裏でしっかりと止める。止めたらすぐにターンせず、1秒程度停止。ここでのタメが重要。すぐに振り向かず、タメることでディフェンスはボールを奪いに動くので、その力を利用してターン。

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3)同じ選手の動き方だが、今度はディフェンスがオフェンスの選手の真後ろからプレッシャーを掛ける。左右、どちらかにボールを止めてターンはできないので、半身になり、ディフェンスと肩とお尻で押してボールをキープ。真後ろにボールを動かしながら、相手が左右、どちらかに動いたら横へボールを動かし、ターンする工夫をする。

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簡単に前を向かず、まずはしっかりと足裏を使ってボールをキープ。そこから打開する術をトレーニングする、というものです。

小学生女子チームでこのトレーニングをしてみましたが、ボールを失う場面が大幅に減りました。ボールをキープできるようになったので、自分たちのゴール前でセンターバックの選手が足裏を使ってスクリーンしてキープ、という非常に危険なプレーにチャレンジするシーンが増えましたが(苦笑)、これはエリア毎のプレー選択、という練習につなげれば、判断力は付くと思いますので、簡単にボールを失わない工夫をする、という点においては効果があると感じました。

足裏を使ったプレーの推奨。これも、ミゲルさんのトレーニングに参加して得られた、大きな財産でした。