娘のテニスの試合に見た、日本人らしいスポーツの練習方法

私の妻がテニス好きということもあり、二人の娘たちは3歳から自宅近くのスポーツクラブでテニスをしていました。
過去形なのは、上の娘が4年、下の娘は3年ほど通ったのですが、楽しさを全面に出して練習するスポーツクラブのため、頑張ってトライしてみる、ということへのアプローチがどうしても出てこないことが最大の理由で、辞めました。
今、彼女たちは妻と一緒に、近所の小学校のグラウンドで、地元のテニス好きが週末に集まって練習しているその練習会に参加しています。

多少の励みになればと妻が、近くのテニスコートで行われる小学生の大会に出てみるかと上の娘に聞くと、出てみるとのこと。
というわけで私も応援に行ったのですが、もう6年ほどテニスをしていて、小学校5年生の今も、毎週に近く土・日にテニスの練習へ行っているにもかかわらず、テニスの試合の進め方に慣れていなくて、ゲームの始まるサーブ自体も、なんだか怪しい(笑)。

妻にどんな練習をしているのかとたずねて、疑問が解けました。

日本にありがちな、練習のための練習をしていて、コートの向こうとこっちで打ち合ったり、ボレーの練習をしたりしているとのこと。

ゲームは?と聞くと、まったくといっていいくらいやらないそうです。

「だってテニスの練習をしているんでしょ?」と思わず笑いながら言ってしまいましたが、日本人らしく、テニスの試合をするための一つ一つの技術を上達させようと、単独の技術向上に励んでいるようなのです。
サッカーでもこれは、同じことが起こりやすい。
インサイドキックの練習を一生懸命にさせるのですが、ゲームではトーキックのみ、とか。
練習している技術の使い方、必要性を本人が認識していないから、練習自体も真剣みがないし、考えながらトライしてみないから、技術の向上も図りにくいのです。
テニスならテニスの、サッカーならサッカーのゲームは練習の中で必ず行うべきだと思います。

いわゆるM(マッチ)-T(トレーニング)-M(マッチ)というもので、ゲームを行い、その内容を分析し、必要とされるトレーニングを行い、その結果がゲームでどう発揮させるのか検証するためにまたゲームを行う、というものです。

とにかくトレーニングは、そのスポーツをする場、つまりゲームをしてるシーンで発揮するよう行っているのだから、トレーニングの中でゲームを行わないというのはナンセンス。

でもこれ、実に陥りやすいパターンなんです。

自分も常に陥らないよう心がけていることの一つでもあるほどですから。

だから意識して、練習したテーマをしっかり行わないと困るような状況を作り、その中で次の練習をさせようにしています。

すぐ前に行ったトレーニングメニューのテーマができないと、プレーがスムーズにいかなくなる。

で、わたしは勝ち誇った顔で言うのです。

「さっきの練習でやったじゃん!どうしてやらない!」と。

意地悪(笑)?! いえいえ、選手が、練習したプレーの重要性を身に染みて理解できるようにしているのです。

ほんとですよ!(笑)