サッカーのコーチをするようになって、いわゆるコーチングの類の本はずいぶん読むようになりました。さらには、自分の子供を育てるためにはあまり読まなかったような子育てに関する本も(苦笑)、積極的に手にとって読んでいます。
そんな中で、子育て中の親御さんにお勧めしたい本の一冊が、菅原裕子さんの「子供の心のコーチング」(PHP文庫)です。
特にこの中で真っ先にご紹介したいテーマが、第2章「子供に教えたい3つの力」の中に書かれている『自己肯定感』です。
自己肯定感という言葉、ご存知ですか?
菅原さんの本の中からその部分を引用します。
自己肯定感とは、自分の存在を肯定する感覚です。自分はここにいるべき人間であり、まわりの人は自分の存在を喜んでいる。自分の存在が家族に幸せをもたらしていて、そんな自分でいることがうれしい。「私は自分が好きだ」という感覚です。この感覚は、私たちが自分として生きていくうえでもっとも基本になるもの。存在することへの自信です。
(子供の心のコーチング 菅原裕子著 PHP文庫 P.54から)
そしてこの自己肯定感を生み出すのは「愛」と、菅原さんはこの中で続けています。
お母さんが「あなたを愛している」「あなたはあなたでいることが素晴らしい」と言うことで子供は安心し、自己肯定感を自分の中に作りながら成長することができます。
このことがどれくらい大切で、そして生きる力強い力になるかはご自分に当てはめてみればすぐに理解いただけると思います。
ですが残念ながら大人の中にも、この「自己肯定感」を持つことができない方が最近では多く見受けられます。「自分が好き」という感覚がないから、常に自分の存在価値を周囲に求め、自ら「自分はこんなことができる」「自分はこんなことを知っている」と自己主張を続ける。皆さんの周りにも、そうした方がいらっしゃるのでないですか。
「自己肯定感」を持てずにいる方に、これを持たせることは可能です。周囲の身近な方が「そのままのあなたを愛している」と伝えてあげればいいのです。まだ成人になっていなければお母様が、彼氏、彼女がいるのであればその恋人が、結婚しているのであれば配偶者が、この言葉を伝えてあげればいいのです。
この役目の適任はやはりお母様です。
そうした意味でも、やはり子供が成長していく上でお母様の存在は本当に大きなものなのです。