「褒める子育て」は是か非か

 

子育て 褒める

叱ると萎縮してチャレンジしなくなる。

なら褒めてやる気を出させましょう。
これが褒める子育てのねらいとよく言われます。
ですが私の経験から考えると、褒めることを中心に子育てをしていくと、子供は親に褒められるため、行動します。
つまり、本人が自分の行動をするにあたり、その行動がいいことなのか悪いことなのか判断せず、親に褒められる行動をするようになるのです。

端的な例が、私の主宰する作文教室でありました。
ある子に、作文が好きかどうか? というテーマで文章を書いてもらいました。
そのときにその子は、こんな作文を書きました。

「わたしは算数が好きです。どうしてかというと、算数の問題を解いて答えが合っていると、お母さんが褒めてくれるからです」。

いかがですか? 微笑ましいと感じましたか? この子は自分の感情には目を向けず、親の反応に傾注しているのです。

自分の中に判断基準が作れないと、子供は混乱を起こしやすくなります。親が常に一緒にいることができればいいですが、残念ながらそれは不可能。
でも褒める子育てをしてしまうと、それを子供にさせてしまうのです。

もちろん、子供にとって親、特に母親の存在は大きなものです。
母性を十分に感じさせてあげることは、子供の情操教育にとってとても意義のあることです。

ですから、子供が甘えることを求めてきたら、それは特にお母さんがその求めてくる甘えを受け入れればいいのです。

ですが、甘やかしは子供の自立を促しません。
甘やかし、親が子供が本来すべきことを先回りしてやってしまうと、その場ではスムーズにことが運びますが、同じような状況が子供ひとりでいるときに起きた場合、その子供は対処できません。

責任は英語で、responsibilityと書きます。

response 反応
ability 能力

責任とは、目の前で起きた出来事に対して反応する能力を言うのです。
責任を子供に学ばせるためには、何事も自分で経験させることです。
その中で失敗し、学ぶのです。

早い時期から責任をしっかりと持てる子供に育つためにも、甘えてきたらしっかりと受け止めてあげ、物事に対処する場合は「あなたならどうする?」「きっとできるはず」と励ましてあげましょう。
親の「あなたならできる」という勇気付けは、なによりも強い心の支えになるのです。

参考にした本。この本はお勧めです。