サッカーコーチになるのに、資格は特に必要としません。
これが子供のスポーツの環境としていい点でありまた反面、問題のある点でもあるのですが、大人が「やりたい」と手を挙げれば、ほとんどのチームではコーチとして受け入れてくれるはずです。
ありきたりな言葉ですが、情熱さえあれば、ジュニアサッカーチームのコーチになることができます。
多くのチームの活動日が週末です。
そこに関わろうとすると、休日を子供たちのスポーツの練習に費やすことになります。
ここはまず、コーチになろうと考えている型には認識していただきたい点です。
行けるときだけ参加。
それではチーム側は、コーチとして当てにできないので、いてもいなくてもいい存在になってしまいます。
そうした状況では、どこかの学年のグループを担当してコーチングする機会はなかなか与えられないでしょうし、そうした状況ではやりがいも生まれにくいと思います。
自分の休日をつぶしてまで、子供たちのサッカーに付き合い続ける気持ちが自分にはあるのか。
それが、先ほど言った『情熱』なのです。
ただし、ジュニアサッカーチームと一言で言っても、様々なチームコンセプトを持っています。
ですから、そのあたりはしっかりと確認する必要があります。
自分はどうしてサッカーの指導者としてジュニアサッカーチームのコーチになりたいと考えたのか。
それは、関わるサッカーチームのコンセプトと合っているかどうか、大きな問題となる部分です。
小学生時代はとにかく『ボールを運ぶ』という技術にこだわるべきと考え、とにかく1対1、ドリブルにこだわるチーム。
勝つことがスポーツをする上でもっとも大切なことと、徹底して勝つことにこだわるチーム。
育成年代は基礎体力がまず大切と、走ることに主眼をおいているチーム。
いろいろあります。
もちろん私は私なりの考えがあり、代表を務めるサッカーチームがあり、公立中学では指導していますが、いずれも正解は一つではないし、それ以前に正解は存在しないと思います。
大切なのは、たくさんのいろんなコンセプトを持ったチームがあり、それを子供たちが自由に選べること。
避けなければならないのは、同じ考えを持ったチームばかりで、選択ができないような状況だと思います。
その見分け方は? となるでしょうが、練習を見ていればおおよそ分かるはずです。
練習のテーマ、コーチングしている内容を聞いていれば、どんなことを選手に身に着けてもらいたいとチーム側が考えているのか、見えてくるはずです。
もちろん、チームの代表の方やコーチの方に話を聞くことも大切です。
いきなり決めず、何チームか、まずは家の近所で練習しているチームをいくつか、見て回ってみるといいと思います。
いくつかチームを見れば、自ずとその違いが見えてくるはずです。
冒頭で、だれでもなれることがいいことでもあり、問題でもあると書きました。
またこのことについては後日、改めて書きたいと思います。
川上滋人