強豪国からの単なる輸入でいいのか?!

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以前から感じていたことなのですが、たまたま見たTV番組で非常に興味深いものがあったので、それについて書きたいと思います。

私が以前から感じていたこととは、サッカー強豪国と言われる地のサッカーをそのまま日本へ持ち込んで指導すればうまくいくのか、ということです。
サッカーは精神的にタフな部分がないと、うまくプレーできません。
これまで何度もここで書いてきていますが、細かい動きをすることが難しい『足』を主に使ってプレーするという、サッカーの最大の特徴が、その難しさを生んでいます。

プロのサッカー選手でも試合中、何度もミスをする。
ですからサッカー選手は、そうしたミスに臆せず、チャレンジし続ける精神力が必要です。
ミスが当たり前に起こるスポーツだからと、ミスしてそのままではいけません。
そこには当然のことながらその選手が判断し、選択したプレー、そしてその結果に対する責任(responsibility)が生じるわけですから、反応して対応しなければなりません。
ボールを奪われたら奪い返す。
ディフェンスをして抜かれたらすぐに走って戻り、次のカバーをする。
それがサッカーでいう責任です。

そのようにサッカーは精神面が問われるスポーツですから、私は子供たちへのサッカーコーチングをしていく中で、子供たちの心理学というものを学ぶ必要性を痛感しましたし、現在も学び続けています。

物事を考えるのに当たって、生まれ育った環境、そして親御さんの教育方針は、非常に大きな影響を及ぼします。
日本で生まれ、日本で育った日本人は、当然のことながら日本人気質というものを持っている。

サッカーをする上でも その『日本人気質』は強く出ます。
サッカーに限らず、いわゆるコーチングということをしようとした際には、この精神的部分を理解した上で指導に当たらないと、なかなか効果は出にくいと感じています。

現状を見ると、南米、ヨーロッパ、最近では特にスペインがワールドカップで優勝し、スペインのバルセロナのサッカーが活躍を見せていることから、スペインのサッカーに対する注目度が日本でも高まっています。

サッカー先進国のコーチを日本に連れてきて指導してもらうことも、とても意義のあることだと思いますが、すべてをその部分に託してしまうのは危険でもあると思います。

翻訳を通してですが、彼らの感じたこと、指導方針などを書籍、インターネットなどで見ると、当然のことですが判断基準が彼らの母国と日本人選手の比較になります。そしてその判断基準は、日本人のメンタリティが基準ではなく、彼らの母国のメンタリティがベースです。

なぜそのプレーの選択になるのか?
日本人はチャレンジを恐れる。
そういう短絡的な結論に達してしまう。

ちょっと違うのではないか?
それが私の抱く疑問でした。

たまたま見たTV番組は、TV東京のFOOT×BRAINというもので、そのweb情報から私が見た週の内容をご紹介します。

2012/6/16外国人サッカー通が日本サッカーに大提言!?
【解 説】都並敏史
【ゲスト】外国人サッカー通のみなさま
日本代表W杯最終予選3連戦が終了。5大会連続のW杯出場へ船出した日本代表を外国人サッカー通はどう見ているのか!?日本サッカーのここが変?日本サッカーは強い?サッカーが生活の一部と言い切るツワモノ外国人が愛のある提言をする異色の回です!ブラジル、アルゼンチン、イタリア、スペイン、さらには元Jリーガーを兄に持つガーナ国籍のサッカー通を交え、大激論!必見の1本です!

この中で、矢野デイビッド・ミツアキさんという方が
「国民性を考えた上での教育をする必要があるのではないか」
という話をされていました。
この話は、同氏が日本のサッカー界に必要なものとして「個人で局面を打開して得点が獲れる真のストライカー」を挙げ、そのためにはどうしたらいいかということで話された中の言葉です。

これを聞いて私は膝を打ちました。

「そのとおり」

と。

また、「日本代表にはもっと我が強い選手を入れるべき」という意見が出た際、同氏は
「国民性が違うから一概にそうとは言えない。日本人の場合、あまりに異質な選手は個性が強すぎてバランスが取れない」
とも語っていました。

選手のクオリティという部分だけを見れば異質な選手もありだとは思いますが、11人というチームで戦うのがサッカーですから、お互いがお互いの力を引き出せる相乗効果がとても大切。

いいところを消してしまうような異分子の存在がうまくプラスになればいいですが、マイナスになる可能性がどうしても大きくなります。

ここまで成長してきたサッカーを支えているのは、間違いなく裾野のジュニアサッカーチーム。
そしてそこでどうする指導者の皆さん。
進化しているのは間違いのない事実。

もちろん、海外のいいところはドンドン吸収すべきですが、日本独自のサッカーというものももっと自信を持ち、進化させていくべき。
単なる模倣は、真の進化につながりにくいのではないでしょうか。

日々の練習の中で、そう感じます。

この話、続きます。