お薦めの本「考えるジュニア年代のサッカートレーニング」その1

今回は本をご紹介します。
この本は様々なジュニア世代のトレーニング向けがある中で、群を抜いた内容になっていると私は思います。

ジュニア年代の考えるサッカー・トレーニング ランデル・エルナンデス・シマル著
ジュニア世代から判断力を磨こう

私自身、多大な影響をこの本によって受けました。

この本は、ランデル・エルナンデス・シマルさんというスペイン人のコーチが、自らのスペインでのコーチ経験に加え、日本でサッカークリニックや指導者講習会を開催していることから、日本に対しての理解もある方が書かれています。

冒頭でシマルさんは『判断』の重要性を語られています。
そして同時に、個人技術と同じくらい戦術も重要とおっしゃっています。
サッカーは、個人技術だけでは成立せず、また戦術だけでも成り立ちません。
多くの日本の指導者は、この部分をセパレートし、考えがちですが、サッカーの試合は両方が常に求められるのですから、自ずと両方のレベルアップを目指すべきではないでしょうか。

本自体はこの『判断力』アップを目的としたトレーニングを中心に展開されています。

さらに私にとって画期的だったのが、攻撃の戦術に関して
・『ボールを保持』し
・相手ゴールに『前進』することで
・『フィニッシュ』できる
と、この部分を三つの要素に分けている点でした。

コーチの大事な仕事は、様々な状況の中で選手は何を判断していけばいいのか、それをはっきりとした言葉で選手に説明することだと私は考えています。
そのためにはシンプルは言葉、いわば合言葉のように練習の中で言う必要があります。

ボールを保持し、前に進んでフィニッシュする。

ではそのためにどうしたらいいのか。
これを常に選手に問いかけ、練習すればサッカーの原理原則からズレル心配はありません。

ポゼッションを重視するあまり、パスはつながるがちっとも前に進まない。

そもそもサッカーとはどんなスポーツなのか、そこを選手に対して明確に問いかけ、考えさせないからではないでしょうか。

サッカーは点を取り合うスポーツ。
試合で勝とうとしたら、点を取らなければならない。

点を取るためには出来るだけ多く、シュートが打てる相手ゴールの近くまでボールを運び、シュートを打つ必要があります。

常にそれを意識し、それをするためにどうしたらいいのかを問いかける必要があると、私は思います。

そのヒントがたくさん、このシマルさんの本には詰まっています。

まだまだこの本の魅力はたくさんあるので、この項、また続きを改めて書きます。