日曜日の試合の感想

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日曜日は小学1年生、2年生のフットサルのリーグ戦と、中学校の練習試合がありました。

残念ながら午前中に予定されていたことから、小学1年生のリーグ戦は雨のため中止。午後にスケジューリングされていた2年生のリーグ戦は予定通りに開催されました。

最初の3試合を勝ち、順位決定戦となり、我々のチームは決勝戦に進みました。
私は中学生チームの試合がこの日のメインの仕事になっていたため、私以外のコーチに付き添いをお願いしましたが、それでも試合が気になるため、ちょっとだけ顔を出しました。

それでも黙っていられず(笑)、さらにはお任せしたコーチからも子供たちへのアドバイスをと依頼されたため、いくつか言葉をかけました。

日本の子供は考える力を持っています。
それはひとえに、日本の教育システムの素晴らしさ、そして日本人の特性である賢さからきていると私は思っています。

そしてそのことは、日々のサッカーの練習、そして作文教室などで痛感しています。

また先日ここで書いたTV番組「FOOT×BRAIN」の中で矢野デイビッド・ミツアキさんが、日本サッカーの問題点を挙げるというコーナーの中で「真のストライカーがいない」という提言をし
「日本人の特性を考えた上での育成が大事で、それを踏まえた上で考えると、ある程度教えたほうがいい。そして常に、ストライカーとしてどういうプレーをすべきか。その一つとしてこういうプレーがあると指導して育成することが必要」
とおっしゃってました。

番組の中でこの言葉に対して広がりを与えていませんでしたが、これは実に的を射ている指摘だと私は見ていて思いました。

日本人は、理由をきちんと説明されてそれを自分なりに理解すれば、それをしっかりと行おうとする勤勉さがあります。
それはサッカーで必要な『規律』という部分においては非常に重要なものです。

そしてサッカーの原理原則である『点を奪い合って勝敗を決める』という部分に関しても、常に意識させる必要があり、それが認識できれば、試合の中で選択するプレーは自ずと決まってきます。

『理由を説明して考えさせる』

これは日本人のサッカー選手を指導する上で、非常に大きなキーワードだと私は感じています。

横道に外れましたが(笑)、さて、日曜日の小学2年生の試合。
この日の大会中に、子供達へのアドバイスでも私はこの『理由を説明して考えさせる』ということに徹しました。

まず最初に子供達への質問は
私「みんな、試合は勝ちたいの? 負けたいの?」
子供たち「勝ちたーい!」
私「勝つためにはどうしたらいい?」
子供たち「点をいっぱい取ればいい!」
私「点を取るためにはどうしたらいい?」
子供たち「シュートをいっぱい蹴る」
私「そうだよね。シュートを打つためにどうしたらいい?」
子供たち「相手のゴールの近くにボールを持っていけばいい」
私「そうだよね。じゃ、自分たちのゴールの近くにあるボールをゴチャゴチャの中で蹴りあいしてるけど、それでいいの?」
子供たち「よくない!」
私「じゃ、どうしたらいい?」
子供たち「相手のゴールの近くの人がいたらパスする」
私「そうだね。そういう人がいたらパスしよう。でも皆、自分たちが例えば3点取っても相手に4点取られたら負けちゃうぞ。どうしたらいい?」
子供たち「シュートさせない」
私「そうだね。じゃ、自分が守備してるとき、相手にシュートさせないためにはどうしたらいいかな?」
子供たち「シュートできないように邪魔すればいい」
私「邪魔って、どうすればいいんだっけ?」
子供たち「・・・・・」
私「ほら、練習でやったじゃん。ボールを持っている人がいたら、ボールとゴールの間に入って邪魔すればいいでしょ」
子供たち「うん!」
私「じゃ、もう一度確認するよ。皆、試合に勝ちたいんだよね」
子供たち「勝ちたーい!」
私「勝つためには相手よりもたくさん点を取らないといけないし、自分たちよりも相手に点をたくさん取られちゃ行けない。相手に点を取らせないためにはどうしたらいいんだっけ?」
子供たち「ボールとゴールの間に入って邪魔する」
私「自分たちのゴールの前に来たボールを足元に止めて、相手に取られてシュートされちゃったことがあったね。あれでよかった?」
子供たち「ダメー」
私「じゃ、自分たちのゴールの前にボールがきたら、ボールをどうすればいいかな?」
子供たち「すぐにゴールから遠いところへ蹴る」
私「走だね。じゃ、それを試合の中でしっかりやろう」
子供たち「うん!」

こんなやりとりをして、私は選手を試合に送り出しました。

教えるなと日本の育成の現場ではよく言われますが、ただ「教えるな」という言葉だけではちょっと言葉足らずかなと、私は感じています。

その後に向かった中学生の練習試合の相手チームは、最近、うちのチームのコーチを務めてくれることになった横山恵介さん(元セレッソ大阪・フットサル日本代表)が代表を務めるGOODLY U-15でした。

私が校外指導員としてコーチをしている杉並区立大宮・泉南中学は、自分たちのボールを大切にし、攻撃はワイド&深さ、守備はコンパクトを合言葉に、ポゼッションサッカーを目指しています。

正直、先日の大会で敗退し、その瞬間に3年生は引退。残された1年生と2年生での新チームのポジションは、この日の試合前に発表したのが初。

そのポジションでフォーメーション練習をしたことはありませんでした。

ですからどれくらいできるのか不安だったのですが、大きな混乱もなく、当然のことながら新しいポジションにコンバートされた選手は不慣れな点からミスをしたりしましたが、それは今後の練習で修正すればよいこと。

方向性として、大きな軌道修正を必要とするとは感じられず、これは普段の練習が多少は彼らの身に付いてきているからかと感じました。

さらに試合後、横山コーチには
「自分達のボールを大切にしているし、いいサッカーしてますね」
と声を掛けていただき、基本的な方向性の確認もできたことは、私自身にとっての大きな収穫でした。

こういう作業を常にしていないと、裸の王様になりかねませんから(苦笑)。

自分がやりたいサッカーではなく、彼らの成長につながる、そして5年後、10年後のサッカーの進化を見据えて練習を積み重ねる(ここに書きました)。

これがなによりも、育成年代において大切なことだと私は常に感じています。

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