2017シーズン・Jリーグ開幕!!

いよいよ2017シーズンのJリーグが開幕。主力選手が移籍したり新しい監督を迎えたりと、多くのチームがこれまでと違うアプローチで新シーズンを戦うこととなった。

 

Jリーグのシーズンオフ期間、ヨーロッパのサッカーは継続され、激しい戦いが繰り広げられてきている。そうしたサッカーを可能な限りチェックし、ヨーロッパのサッカーに見慣れた目でJリーグ開幕戦から見てきているが、残念ながらあまり良い状態で新シーズンを迎えているチームが少ない印象だ。

 

例えば名古屋グランパス。私は風間八宏さんが目指すサッカーが好きで、同氏の本やDVDはほとんど入手し、繰り返し見たり読んだりして学んでいる。そのため、川崎フロンターレの試合はほぼ全試合チェックしてきたし、名古屋の戦いぶりも非常に気になり、ここまでの3試合についてはデビュー原稿も書いてきた。

 

だが残念ながらまだまだ風間サッカーの浸透度は低く、改めて日本サッカーのレベルと世界最先端のサッカーとの差を痛感してしまっている。

 

そしてそれは他のJリーグのチームも同じような状況で、新しい監督の戦い方に戸惑い、サッカーの原理原則に則ったプレーがどこかに忘れ去られてしまっている印象だ。

 

最先端のサッカーとは?という話になると思うが例えば、私が見てとても気に入っている練習風景をここで紹介したい。これは、リーガ・エスパニョーラのアトレチコ・マドリードの練習だ。

 

 

これは、4人のミッドフィルダーと二人のフォワードで一つのチームが構成されており、4対4で攻撃側はボールを動かして相手のギャップを通そうとし、ディフェンス側はボールホルダーに対して常にチャレンジし、後ろはカバーをしながらスルーパスを通させないように閉める動きの練習となっている。さらにフォワードにボールが入っても、ボールを受けたフォワードはそのままシュートできず、必ずもう一つのフォワードにボールをパスし、パスが通ってそこで初めてシュートできるようになる。

 

フォワードにボールが入ったらディフェンスはしっかりとプレスをかけ、最後まで気を抜かずにゴールを守ろうとする意識付けもできる。

 

恐らく一人の選手が動く横幅は2mくらいだろう。四人いるから合計8m。その狭い幅の中でボールを動かし、相手のギャップを作って縦パスを入れようとするわけだ。

 

私もこのトレーニングを取り入れているが、私の場合はもう少し横幅を広くし、同時にゴール間も広げて行っている。さらに新ルールとして、縦パスがフォワードに入ったら、後ろの四人のミッドフィルダーもシュートに加わることをOKとしている。こうすることで、縦パスに対してのサポートと、逆サイドという幅の攻撃の可能性を持たせながら、一気に人数をかけて狭いスペースの中を攻めきってしまうという意識付けができるのだ。

 

ヨーロッパのこうしたサッカーに見慣れてしまうと、せっかく縦パスが入ったのにそこに対してサポートも入らず、選手がボールに対して関わり続けることが途切れてしまうJリーグの戦いぶりには違和感を覚える。まだシーズンが始まったばかりでトップコンディションではないという言い訳になるのかもしれないが、シーズンが本格的にスタートした今の一試合と、シーズン終盤の最終順位を左右する一試合と、価値は同じはずだ。最後にドタバタするくらいなら、開幕戦からしっかりと戦える状態にしておくべきではないか。

 

そして先ほどの動画を繰り返し見ると、いろんなことが見えてくる。なにしろシメオネ監督の、選手を鼓舞するコーチングが熱い。こうしたコーチングを常にし続けることで、アトレチコ・マドリードのあの戦うスタイルが実現しているのだろう。我々指導者もこうした点は是非見習うべきだ。

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