4月28日にバルセロナFCレジェンド対レアル・マドリーレジェンドの試合が行われ、ロナウジーニョがその試合で魔法を見せた。それはもう、ファンタスティックの一言。今回はその動画を見ていろんな思いが一気に広がった私のその感想を書きたいと思う。
その動画はこちらだ。
ダイジェストだが、バルサが獲得した3点いずれもロナウジーニョが絡んでいる。改めてこの動画の中のロナウジーニョのプレーを見て、私が常々思っているサッカーの進化した姿について確信することがあった。
個人の技術が進化していくと、間違いなくロナウジーニョのように手でボールを扱っているようなプレーになるはずだ。ロナウジーニョのいずれのキックも、『蹴る』イメージがあるだろうか?私にはまったく『蹴る』感覚はなく、手で投げるようにねらったところへボールを『置き』に行っている印象だ。
パスの精度が高まっていくと、蹴り飛ばすという粗雑なイメージはまったくなくなり、投げるようなイメージでのコントロールになっていくということだ。
まだロナウジーニョは引退を宣言していないので、それなりの練習を日々しているのだろう。そうでなければさすがのロナウジーニョでも、このボールタッチはいきなりできるものではない。
ボールを「止める」技術も、文字通り次にプレーしたい場所へ『置き』に行っている。止める、ではなく、次にプレーする場所へ『置く』のだ。
利き足の右だけでなく、左足も使い、両足をまるで手のように上手に使いながらボールをコントロールする。3点目のスルーパスは正に相手ディフェンダーの背後を絶妙なタイミングで抜くスルーパスとなり、しかも前向きに走るジュリのスピードまで考え、それに合わせている。正にピンポイントで合わせるため、ねらった場所に『置き』に行っているパスで、ここにも蹴り飛ばすイメージなど微塵もない。
今年37歳というロナウジーニョ。ここまでの技術は、トレーニングを重ねれば身に着けることができるという手本だろう。トレーニングさえ欠かさなければ生涯、この技術を使ってサッカーが楽しめる。
一生サッカーと付き合っていく楽しさまで感じさせてくれる、私にとってそんなロナウジーニョのプレーだった。