合宿の最初に話すこと

トラスト 少年サッカー 合宿

合宿の最初に話すこと

毎年、宿に到着する直前に部屋割りを子供たちに渡します。
到着し、荷物をそれぞれの部屋に置いたらすぐに昼食です。

食事は自分たちでご飯を盛りつけ、配って準備をします。
食事が準備できたところで上級生が前に出て
「手を合わせてください」
「いただきます」
の号令のもと、一斉にいただきますして食べ始めます。

初めの食事に前に、コーチから恒例のお話があります。

「はい、全員座ったかな。
では、自分の周りを見てください。
いつも自分の洋服、食事、お出かけの準備をしてくれるお母さんは、いますか?
忘れ物ない? って声をかけてくれるお父さんは、いますか?
そう、いないね。
ということはどういうことかな?
そうだよ。
自分のことはすべて、自分でやらないと何もできなくなってしまう。
練習に行くときのユニフォームの準備も、着替えも、
お風呂に行くときに替えの下着、洋服も
全部自分で出して、片づけも自分でやらないといけない。
ご飯も、そうだよ。
食べ終わって「ごちそうさま」したら、自分で片づける。
分かった?
コーチは、みんなが自分で自分のことを全部できるの、知ってるよ。
だから「自分のことや自分でやるように」とお願いしています。
大丈夫だよね。
できるよね」

というのがその内容です。

汚れた洋服をしっかりバッグの決められた袋の中に仕舞えなかったり、毎日夜には洗濯ネットに入れたユニフォーム、サッカーパンツ、ストッキングを洗濯していますが、だれかの洗濯ネットに中から発見されたり、ストッキングが紛失したり、いろんなことが起きます。
でもここで経験してほしいのは、自分がしっかりやらないと、そのツケは自分に返ってくるということ。
そしてそれはすべて、自分でできることなんだ、ということを経験することが何よりも大切と考えます。

いろんなハプニングは当然のことながら起きますが、我々コーチは想定済み。
よほどのことでない限り、子供たちに
「コーチ、●●がない」
と言われても、
「コーチは一人一人の持ち物は管理できないからわからないなぁ。
自分の持ち物は自分でしっかり管理しましょうって言ったよね。
なくなって困るのはだれ? 自分が困るなら自分がしっかり管理しないと」

と答えます。

それでもなんとか三日間、それぞれが過ごすのですから子供の適応力は、やはり高いと思います。

ぜひこうしたことを、普段の生活の中でも実践していただければと思います。

察しの良い、先を読んで準備してしまう親ではなく、言われても気づかない察しの悪い親のふりをして
じっと見守ってあげる。

それが、何よりも子供たちの成長につながると私は思います。

さらに合宿の話は続きます。

川上滋人