フットサルから考える『サポート』の重要性

ボールを失わなければ、自分たちの攻撃を続けることができる。ポゼッションサッカーを説明するとき、よく使われるセンテンスだ。ボールを失わず、大切にするということは、サッカー先進国では共通言語とさえなっている。ボールを大切にするサッカーをする上で大切なのは、味方の『サポートの意識』。今回はこのことについて書こうと思う。

 

フットサルは数的同数、サッカーは数的優位のスポーツといわれます。

 

フットサルは5対5、フィールドプレーヤーは4対4で、フィールド自体も狭いことから、マンツーマンが成立する。局面局面で1対1になっていれば、そう簡単に点を取られることはないし、チャレンジ&カバーの関係も、相手のフィールドプレーヤーは4人なので、数的同数が維持しやすい。

 

対してサッカーの場合、ピッチは広いし、11人対11人と人数が多いことから、どうやってボールの回りに人数をかけるのか、広いピッチを有効に使っていくのか、様々なアイデアが生まれる。

 

とは言え、局面での崩しはフットサルの論理的な方法が、サッカーでも非常に有効だったりするが、いかに数的優位な状況を好守ともに作るのかが重要になってくる。

 

フットサルもサッカーも、スペースがなく、パスコースもない状態で自陣深く追い込まれるのはピンチ。できるだけ自陣深くから相手ゴール近くへボールを運びたいところだ。

 

言うまでもないが、自陣深くで1対1の状況は、非常に危険となる。

 

常に大事なのは、縦のパスコースを作ることはもちろんだが、万が一のためにサポートに誰か入り、前が向けなかったり縦パスが入れられないときはサポートの位置でボールを受け、相手に取られにくいところへボールを運ぶ、というプレーが大切になる。

 

ところが、個人参加のフットサルなどに行くとしばしば、チームメイトが皆、前に行ってしまい、自陣深いところで相手と1対1になり、ボールを奪われてショートカウンターを受ける、というような場面が多発する。

 

自陣深いところでボールをまず止めてしまうというプレーがそもそもまずいが、サポートにだれも入らないという状況も、チームプレーとしては褒められたものではない。

 

サッカーもまったく同じで、ディフェンスラインからビルドアップするのに、パスコースを最終ラインで作っておかないと、相手フォワードに引っかけられてショートカウンターを受ける可能性がある。

 

ところが、サポートの意識をチームとして持っていないと、自分たちがボールを持った瞬間、我先にと皆、相手の裏を目がけて走り出し、パスコースがまったくなく、浮球で前に蹴るしかないような状況となってしまう。

 

文章で読むと「当たり前」と感じるが、実際にはJリーグなどを見ていても、サポートに入る意識の薄い状況がよく起こる。

 

また逆に、チームとして「ボールを大切にしよう」と考え、トレーニングを積んでいるチームは、サポートのない状況はまず起きないし、選手同士が意識しあい、幾つものパスコースを作る工夫をしている。

 

闇雲に前に走るのではなく、全体を見てお互いにサポートをしながら着実に前に進む。グラスルーツレベルでも、当たり前にそんなプレーができるようになれば、日本のサッカーは先進国に負けないレベルになるはずだ。

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