相手の『背中』を意識すること

守備陣に後手を踏ませること。攻撃の基本的な考え方だが、後手を踏ませるためには相手の死角に入る、つまり背中を取るのがポイントとなる。ここのところ紹介しているTV番組「foot」でのFC岐阜大木監督のインタビューで、「背中を取る」というキーワードを聞き、改めてその重要性について考えた。ちょうど今日は仲間に誘われ、フットサルを2時間プレーする機会を持てたことから、『背中』を意識してプレーしてきてみた。今日はそんな話を書いてみたい。

 

ボールを、シュートできる相手ゴール近くまで運ぶためには、相手ディフェンス陣の守るスペースをかいくぐる必要がある。

 

こちらが攻撃していれば、相手はまずゴールを守るし、ゴール前のスペースも消してくる。相手守備陣の前でただボールを「止めて蹴る」を繰り返しても、相手守備陣にほころびは生まれない。どこかでダイレクトパスを入れてリズムを変えたり、パス&ムーブで動き、距離の変化を出すなどして相手の守備陣形を揺さぶり、ギャップを作る工夫が必要となる。

 

守備陣を揺さぶるキーワードとして、守備をしている選手の『背中を取る』プレーは重要だ。

 

サッカーで考えると、守備時にはフォワード、ミッドフィルダー、ディフェンダーの三列があり、それぞれの列を縦パスで通過すると手前、例えばフォワードのラインを縦パスでミッドフィルダーのライン手前にパスが入れば、フォワードの選手は背中を取られることになる。

 

縦パスが入った瞬間、フォワードの選手は自陣方向を向くことになるので、最終ラインの選手に背中を見せる。

 

ここで最終ラインの選手が動き出せば、フリーの状態で次のパスを受けることができるわけだ。

 

一つのカギとなるのは『縦パス』。

 

これをどうやって入れていくのかが、攻撃の一つのポイントになってくる。

 

今日のフットサルでも、縦パスが入った次の瞬間にアクションを起こすと、相手の背中を取ることができ、フリーの状態でプレーすることができた。

 

ただ、これは以前のメルマガでも書いたが、日本ではまだまだ『ダイレクトパス』を意識した選手がアマチュアからプロまで、全体的に少ない。もっとも相手選手に取られにくいパスがダイレクトなのだから、これを積極的に使うべきだと思うのだが、どうしても止めてしまう。しかも判断なく、なんとなく止めてしまうから、次のプレーに繋がらない。後手を踏ませる工夫もそこにはないから、せっかく縦パスを入れても、次のアクションがなく、縦パスを次に活かせず、ただポゼッションしてるだけ、という状況になりがちだ。

 

そうして、なんとも残念な攻撃になってしまう。

 

守備時にも、いかに背中に入られないようにするかという意識は重要だ。サイドからクロスが入る状況だと、どうしてもディフェンダーはボールサイドに身体を向けてしまうから、逆サイドから入ってくる攻撃陣に対して後手を踏んでしまう。

 

できるだけボール側ではなく、正面を向くように、さらに可能な限りゴールラインまで一旦下がり、視野を広く取りながらボールに対してプレスに行くという身体の向きが重要になってくる。

 

こうした身体の向きも、日々のトレーニングで選手に意識付けしていくしかない。

 

サッカーのトレーニング中、コーチはいろんなキーワードを使う必要があるが、『背中』というキーワードも意識して指導してみようと考えている。

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